「説明しろ。ただし簡単にな!」
ジャイアンの声優さんがしゃべるのが似合いそうなゼルの要請に
バカ殿はがっくりしてしまった。
そして、今度は説明をすべてすっとばして結論だけを口にする。
「中に乗り込んで止めてみるでおじゃるか?」
何がどうなってそういう結論になるの。
さっきまで害はないって言ってたじゃないか。
あなた単にめんどくさくなってきただけじゃないの。
ガルバディアが動かしていたとはいえ、昔はお前さんのオモチャとして
国から予算が下りていたような遺跡だろう。
お前さんの一存で止めようとしていいものなのか。
それに部外者であるゼルたちを関与させていいものなのか。
わからない。エスタの人たちがわからない。
まあ、このゲームの登場人物で理解できるのはゼルのお母さんとカーウェイ大佐だけなんだけど。


でも落ち着いて考えてみれば
もともとバカ殿のオモチャだったんだから
的確な判断をできる立場にいるのはバカ殿なのか。
ゼルの行動は考えなしの行き当たりばったりなものだけど
幸運なのか嗅覚なのか
きちんと正解に近いところにたどり着いていると思う。
これで、モルボルとの不幸な出会いがなければ
「うん、戦闘能力で見てもこいつらが一番高いしな」
とプレイヤーである俺自身が安心できるのだが
ルナティック・パンドラ……。
モンスターを撒き散らす箱(を開けてしまう魅力的だけど頭の弱い女)……
一匹でもモルボルが混じっていたら
このゲームは全てが終わる。
たぶん戦い方によれば勝てるんだろうけどなあ。


ともあれさて、バカ殿の説明によれば
さっきルナ・ゲートの上空を通っていたにもかかわらず
ルナティック・パンドラはエスタの西方の海上にいて、市街地上空を通過するらしい。
なんだなんだ。地球を一周して、ガルバディア領を乗り越えて、F.H.もぴゅーんと飛んで
日付変更線を越えてやってきたってのか。
まあいい。
ガルバディア兵が乗っているのならば
ゼルたちも乗り込めるはずだ。
市街地上空にいる間になんとか突入して
ティアーズ・ポイントへ向かうことは阻止することにしよう。
さて市街地上空では、この研究所付近からショッピングモールに向かって通過するとのことである。
市街地通過までの時間は20分間。
またタイム・トライアルかあ。
焦るから嫌いなんだよな、あれ。
低い軌道とはいえ空中を飛ぶルナティック・パンドラに乗り込むには
ルート上で高い位置にある建造物や道路で待ち伏せする必要がある。
そのポイント三つある。
一つ目が、市街地の中心点。5〜8分のあいだ。
二つ目は立体交差付近。10〜15分後
三つ目はショッピングモールの北部。ここには17分後の予定だそうだ。
さあ、どこで乗り込もう?


しかし迷うことはないだろう。
街中の移動は例のエレベーターで一瞬でできるから、
ショッピングモールで買い物をしてゆっくり待つことにしよう。
じゃあちょっとばかり行ってくるわよー。
とタカをくくっていたら、エスカレーターが壊れているじゃないか。
しかし徒歩でショッピングモールにたどり着く。
まだ時間も5分と経っていない。
どうして20分なんていう時間設定を。
もしかして、ゆうざん師匠がいなかったら
敵が出てきてギリギリになったのかもしれない。
とはいえいまさら蚊取り線香をやめる気にはなれないが。
さてはてショッピングモールでは
閉店中のお店からロゼッタ石というものをもらえた。
説明を読んで驚いたのだが、これはなんとアビリティ×4になるというものだ。
これまでゆうざん師匠を連れていると
たとえ特技の枠が3つあったとしても
「ぶんどる」「エンカウントなし」「隠しポイント発見」で埋まってしまい
能力を強化できなかったのだが
これで「HP+80」という反則のドーピングができるようになった。
さらに時間があるので、忘れ草を大量購入し
重複している「まほう」や「ドロー」「アイテム」「GF」といった特技を消していくことにする。


そうこうするうちにルナティック・パンドラが近づいてきた。
どこから乗り移ればいいのだろうか。そうやって様子を見ていると、おあつらえ向きに外壁が開き
ガルバディア兵と怪物兵器が襲い掛かってくる。
返り討ちにして内部に侵入した。
ルナティック・パンドラの内部はまずは階段になっている。
壁面は青緑に輝く鍾乳洞のようだった。
イメージは、ラグナの夢の中でみかけたセントラの遺跡に近い。
あの夢の中ではエスタ兵がセントラ遺跡で何かを掘り出していた。
それがこれ、ルナティック・パンドラだったのかもしれないな。
相変わらずゆうざん師匠のおかげで敵は出てこない。
のんびりと散策を続けていたら
緑色の機械が突然やってきて、ルナティックパンドラから追い出されてしまった。
何をやっているんだ、俺たちは。
当初の予定を果たすことができず
ルナティック・パンドラはティアーズ・ポイントに到達してしまった。
ふたたび月の涙がおきることのないようにという願いを込めて
奉られたと思われる神像にひびが入ってしまう。
これは不吉な暗示だ。
地理的に月の涙を呼びやすい(とオレが想像している)ティアーズ・ポイントに
月の災厄を撒き散らす箱(を開けてしまう魅力的だけど頭の弱い女)の名称を授けられた巨大建造物。
この最悪の取り合わせで、月から大量のモルボルが降って来る気がする。
そしてさらに悪いことには
宇宙空間にはヒャダルコパルプンテ、セルフィが行っている。
広大な宇宙空間で、わざわざ月の涙の軌道上にヒャダルコたちが出くわすことは低い確率だが
これがゲームだと考えるとものすごくそうなりそうだ。
今回の月の涙がもたらした災厄の第一は
眉間に傷のあるファーのついた無愛想と
腕から犬を発射する女と
関西人の魂関西弁を隠して暮らす大物なのかもしれない。
いやちょっと待て。
パンドラの箱の逸話にからめるなら
モンスターたちが落ちてきてしまいましたが、最後には希望……となるべきなんじゃないのか。
でもダメだ。
ヒャダルコはともかくパルプンテ
ド級の災厄にしか思えない。


というところで本日はここまで。
結局、プレイの最新まで追いついていません。
来週の土曜日がプレイ再開だろうか……。
それまでに、ぽちが一つはAランクのアイテムを拾ってきてくれたらいいのだけれど。