イデアは快く出迎えてくれた。
「私で力になれそうなことはありますか?」
まだ正気を保っているようだ。
それに比べてヒャダルコの返答はせいていて余裕がない。
「白いSeeDの船。エルオーネが乗っている」
お前は昔の人か。ラップ歌手か。なんだその省略の仕方は。
先生の前なんだぞ。敬語を使えよ。
Disc2の最後ではサイファー、そして今はヒャダルコ
パルプンテにからんだ男たちがどんどんと株を下げていく。恐ろしい子
「あの子たちは……」
イデアが白いSeeDたちについて話すこの物言いはヒャダルコたちに対するものと同じだ。
イデアのSeeDたちももしかしたら孤児なのかもしれないな。
その、イデアのSeeDたちは用心深いから、ひとつところにとどまることはないらしい。
「あの子たち、セントラの風景を気に入っていたみたいでした。
 だからセントラ大陸の入り江のどれかに船を停めているかもしれません」
そして、まませんせいは一番欲しいものをくれた。彼らに対する手紙である。
「これで彼らはあなたたちを歓迎してくれるでしょう」


そばでぼうっとしていたシド学園長にも白いSeeDの船のことを聞いた。
この人って本当に戦線離脱しちゃったのかな。
マンガとかだといちど脱落した人間にももういちど復帰のチャンスがあるもので
その人が復活を望んでいるかいないかに関わらずラストバトルには引きずり出されて
しばしば犠牲になって殺されるものだけどシドにはそれはないのだろうか。
シドによれば、SeeDの船はエスタからエルオーネを守るために手に入れたものだという。
船長としてイデアが乗り込み、エルオーネとともに旅をしていたが
いつしか子どもたちを集めて孤児院にしてしまったと。
どんなことをしていても、子どもたちは見捨てられないんだな、まませんせいは。
イデアは、子どもたちにさまざまなことを教えて、彼らもまたSeeDと呼ぶようにしたというわけです」
つまり師匠を利用した戦闘などはできないのだろう。
ただ、魔女が求めるエルオーネを守ると言う意味で、未来を守る種という位置づけではあるのだろう。
それに、F.H.でガーデンに飛び乗ってきたジャンプ力はとんでもなかった。
多分F.F.でおなじみ龍騎士のジャンプ攻撃とかができるはずである。
そんなやつらだったら早く合流して、協力体制を敷かなければならない。
じゃあ行ってきます。


それにしてもこの廃墟で二人は暮らしているのかな。
おそらく大量のテントを買い込んでいるのだろう。
イデアにとっては、自分が傷をつけないで済み
シドにとっては、ようやく重責から解放されたのだから
不便ではあっても幸せな日々なんじゃないだろうか。
そっとしておいてやろうか。
さあ、SeeDの船を捜そう。
ありとあらゆる入り江に首を突っ込んでくれ!
ヒャダルコの指示に従うしかないニーダはえらい大変だ。
船の操縦も否応なしにうまくなるよな。
この航海を先にしていたら
ガルバディアとの勝負でももっと優位に戦えたんじゃないか。


ガルバディア・ガーデンとの戦いでもっとも株をあげたのは誰だろう。
といってももっとも評価されるべきはヒャダルコで最下位がゼルということに異論はないのだが
あの、挙国一致体勢で戦い勝ち抜いた一日は
テレビでやるドミノ大会以上に英雄を産み出してそうだものな。
俺の個人的な意見でいえば
ヒャダルコパルプンテが降り立った中庭で
疾走するガルバディア・ガーデンのバイクをたたきおとした彼。
彼にこそあの日の猛打賞をあげたいと思う。
またあのムービーを見たいんだけれど
兵士との殴り合いで勝てる気がしないのであきらめている