斥候にはなったセルフィからは東の方向に行けと言われているが
せっかくの新大陸である。
ぶんどるとライブラとカードをつけてしばらく狩を楽しもうと思う。
メズマライズという半月状のツノを持っている馬に4回出会い
こいつだけかつまらんなと思ったその時
巨大な口を持つ植物が現れた。
それはモルボルという名前のモンスターで
ライブラで見てみたら「臭い息を吐いてくるからあっという間にやられる」と書いてある。
大げさなんだよなあ。こっちのドーピングを舐めたらいけないよ?
でもHPだけは異常に高いので安心して削れるから助かるなあ。
そうタカをくくって戦いを開始したら
臭い息で壊滅しました。ライブラは正しかった。
どうなったかというと三人とも真っ赤になり「たたかう」以外の行動を封じられ
あとは毒とか暗闇とかいろいろ食らってました。
ちょっと! これは強すぎる。
ようやく逃げ切れたら、ステータス画面に
これでもかと言わんばかりのカルテが貼り付けてあった。
恐ろしいものが住んでるんだなあ、エスタには。
おとなしく先を急ごう。とても狩れるような怪物じゃない。


東へ向かったら場面が変わった。
ふきすさぶ風の音とともに氷? 塩? どちらかわからないものに埋め尽くされた白い荒野である。
東だ! と胸を張って方向を指示したセルフィが
「街なんて見えないね〜」とのんきなことを言っている。
たしかに西にはF.H.への鉄橋で
北と南は山に囲まれているから消去法では東しかないんだけど
自分が東だ! と盛り立てておいてこうやってすかすところが
さすがに大物だと思う。
やっていることは大物だがいまいち人物的にこじんまりしているまませんせいは
「思ったより長い旅になりそうですね……」
と早速めげはじめている。
オダイン博士が自分によくしてくれると確信していたまませんせいは
もしかしたらオダイン博士と知り合いでエスタに来たことがあるかと思っていたが
どうやら違うらしい。
「大丈夫ですよ! どんな敵が現れても俺たちがちゃんと護衛しますって!」
まませんせいの不安がホームシックとはわからなかったゼルは能天気に励ますが
自分が育てた子どもに励まされるほどまませんせいは安くない。
彼女が子どもたちを連れてきたのは護衛ではなく暴走したときに自分を止めてもらうためだと言った。
それにしてもセリフがふるっている
「私はね……私自身でいる限り何も問題はないの」
前回は死なせずにとめられたけど今度発狂したらどうなるかわからない。
その嫌な想像でみんななんとなく黙り込んでしまった。
それにしてもまませんせいのように美人でグラマーで
自分の人生と向き合って揺るがない女性がよくシドみたいのに惚れたと思う。
母性本能の延長だったりして。


散歩していたセルフィとアーヴァインが帰ってきて
みんなの沈んだ空気に敏感に気がついた。
「これは誰かを倒しに行く旅じゃないんだよ〜
 みんな幸せになるための旅なんだよ〜」
だから、もっと元気に行こう。
考えてみたらセルフィは楽しかったトラビアを出てバラムにやってきて
ずっと殺伐とした出来事に巻き込まれてきた。
トラビアはほとんど全ての国民がガーデンに関係しているという狭い世界だから
セルフィにとって外の世界はすなわち怖くて悲しい世界だったのかもしれない。
だからこそ希望を求める旅がうれしいのだろう。
「……悪いことは言葉にすると本当になるって誰かが言ってた。
 迷信なんだろうけど今は信じたいんだ」
だから何も言わないでほしい。そうヒャダルコも言う。
やはりこれはあのシード叙任式のパーティー
パルプンテに言われた『好きにな〜る、好きにな〜る』が実現してしまったことを
悔やんでのセリフなのだろうか。
それにしてもホント変わったなあ、お前。
つい数ヶ月前だったら
イデアがまた悪者になる? そしたらまた倒せばいい」
思っていることはともかくそういうことを口に出す奴だったのだから。