大統領が最初に登場した管制室にやってきた。
月の大きさに思わずはしゃぐセルフィだったが、管制官はそれをやんわりと諭した。
「そんなに驚いてばかりもいられないんだ」
示されたモニターを眺めると、月の表面にうごめくものが見えた。
それは全部モンスターだという。
おいおい。こんなにいたらモルボルもいるんじゃないのか。
モルボルが5匹いたら世界が滅ぶぞきっと。
彼らはいま、異常な行動をしているという。一箇所にあつまっているというのだ。
ふーむ。
月は真空の世界である。
真空の世界の生き物がどうして地球で生きていけるのかずっと不思議に思っていた。
何しろ酸素があるのだ、地球には。
そんな毒ガスの真っ只中に、真空中にいた生き物がやってきて生き延びられるものだろうか。
しかし、この世界ではもしかしたら月面上にもわずかに空気(酸素)があるのだろうか。
それが、月と地球の大接近によって、地球の重力に引っ張られて月の一部分に集まってしまう。
空気が薄くなるから怪物たちは自然と濃いほうへと移動するようになり
その結果純度の高い月の涙が出来上がるということだろうか。
ルナティック・パンドラだけではない。
地上でも、ガルバディアのビッグスがモンスターを呼び寄せるルナティック・パンドラを
これまた月の涙を引き寄せやすいと経験で知られているティアーズ・ポイントに設置している。。
ヒャダルコパルプンテのことだけを考えている間に
地球は大変な事態を迎えているのだ。


と、魔女のコーラスと同時にパルプンテをおさめたベッドが開いた。
そして警告の赤いランプが基地を照らし、サイレンが鳴り響く。
「医務室で異常事態発生!」
近くのクルーは武装して駆けつけろという。剣呑な事態である。
エルオーネとセルフィには管制室にもどってもらい
ヒャダルコはすべての師匠を憑依させた。
医務室からは、何かにとりつかれたようにパルプンテがさまよい出てきた。
そのまま管制室の方向へと歩いていく。
話しかけても気づく様子もない。
ピエットや管制官パルプンテにぶっとばされたらしく
床にうずくまってしまっている。
女だからって甘く見るなよ。
こいつは訓練も受けずにSeeDとタメはる腕力の女なんだ。
どうやらパルプンテはアデルを封じている機械を動かそうとしているらしい。
見る間にLv1を解除してしまう。


止めようとしたヒャダルコをはね飛ばし、パルプンテが去っていくと、
それまで動けなかったセルフィが月面の異常に気がついた。
モンスターがあふれ出しそうなほど一点に集中している。
とうとう月の涙が始まるらしい。
悪いことは重なるというが
ここまで続くとなんだか誰かの意思が働いてそうな気がする。
意思といえばアルティミシアだが
イデアを解放したアルティミシア
パルプンテの中に潜んでいたのだろうか。
パルプンテの中に潜み、エルオーネを求めたヒャダルコ
パルプンテをアデルの至近に連れて行くことを予期する。
無理だ。
そんな読みができるのはシナリオライターだけだ。
ということはやはり、月の涙が起きるこの瞬間に
偶然ガルバディアの誰かがルナティック・パンドラを動かし
それが偶然ティアーズ・ポイントで
さらに偶然パルプンテが血迷ってアデルを解放しようとしているのだろう。
ここまで偶然が重なるとはっきりいって許せないが
アルティミシアが編んだ糸がこういうタペストリになっている、と言われるよりははるかにマシだろう。


それはそれとして、パルプンテを止めないと。
いくらアデルが魔女とはいえ
生き物だったら宇宙空間では生きられない。
死んだらその力は他の魔女に継承されてしまい
危険は手元で管理するという信条のエスタ人たちの目を逃れてしまう。
その瞬間もっとも至近にいるであろうパルプンテに憑依してくれたら
じゃあパルプンテを封印して終わりにしましょう!
Disc4を使って闘技場でもやろうぜー! ということになるのだが
おそらくヒャダルコがまた無茶をするはずだ。
今度の相手はエスタである。
ちょっと無茶が過ぎただけで世界滅亡などになりかねない。
しかしパルプンテ夢遊病のまま警備員たちをなぎ倒し
宇宙服を手に入れると宇宙に出ようとしていた。
ヒャダルコも見よう見まねで着てあとを追う。
だいじょうぶなのか? ほんとうにおまえ、ちゃんと着られるのか?
さきほどの大統領が月の涙から非難してきたが
月の涙はアデルを巻き込んで地上に墜落する可能性があるらしい。
ちょっとまてお前、何を心配しているんだ。
生き物なんだから真空中に放り出された瞬間に死ぬだろう?
死体だって、地表につく前にザクみたいに燃え尽きるんじゃないのか。
ただ問題なのはエスタの科学力だ。
「このちっぽけな宇宙服にも大気圏突入能力と
 地表に激突しても大丈夫なアメニティを実現したでおじゃるー」
と一行書かれた瞬間に事態は深刻になる。
窒息死したアデルから移った魔女の力は
そばで宇宙服を着てうろうろしている女に乗り移り
そいつがティアーズ・ポイントに降り立ちそうだ。
それを迎え撃つのは筋肉バカとメガネと弱虫なのだ。
それをすべて考え合わせれば状況はとても悪いな。
……撃ち殺すか、パルプンテを。


というところで本日はこれまで。
プレイ再開まであとちょっとです。
腰をすえてアイテム探しがしたいなあ。