ビッグスを蹴散らすのは当然のことであり
やられたビッグスが何かのスイッチを入れるのも予定調和である。
警戒警報が発令されて、モンスターが放たれたらしい。
だがゆうざん師匠のエンカウントなしの前には無力だ。
ゆっくりとヒャダルコを探す途中でバラム・ガーデンの生徒と出会ったが
彼はいまはガルバディアに雇われているから情報をくれないそうだ。
でも彼からはアイテムを買うことができた。
あとは、カード勝負を挑んで勝てたら情報をくれるやつがいるが無視する。
そしてヒャダルコを発見した。
お前がたまたま立場が命じるから仲間になっているんだ、と思いこんでいる仲間たちは
助けに来てくれたぞ、ヒャダルコ
それを信じられたら
嘘をついてでも苦痛を終わらせようなんて弱音は吐かなかっただろうにな。


ガンブレードを渡されヒャダルコの気が満ちた。
いっぽうついてきた怪物はヒャダルコをみて
「ラグナ! ラグナ!」と喜んでいる。
え? お前はラグナを知っているの?
だってラグナがガルバディア軍にいたころって
魔女と戦っていたのだから当然怪物は利用していなかったよな。
ガルバディアでも怪物らしきものは見なかったし。
その後、どこかでラグナに出会ったのか?
えーと、ちょっと待て。
疑問がいくつも出てきた。
○怪物はどうしてラグナを知っているのか。
○どうして見間違えるほどヒャダルコとラグナは似ているのか。
単純に考えると親子なんだけど
たとえばレインとラグナの子どもでありラグナが孕ますだけ孕ませて世界を巡る記者になったとしても
母親であるレインからそのことは知らされているはずだし
なによりラグナの視点でレインを見たときに驚くはずだ。
かといって、ラグナはレインとは深い関係にならず
その後別の女にヒャダルコを産ませましたというのはあまりにもゲームっぽくない。
ヒャダルコはレインとラグナの子で、レインとエルオーネ、ラグナは戦争か何かで死亡した。
ヒャダルコだけが親切な人に育てられたが心はその幼少時の恐怖で捻じ曲がっており
5歳を待って自活するために自らガーデンの門を叩いた。
こんなところだろうか。
とにかくラグナとヒャダルコは似ているということだけ覚えておこう。
それにしても、俺は猫の一匹一匹完全には見分けつかないのに
よく確信できるほど見間違えられたな。


さあ、脱出の作戦会議だ。
「おまえ、あっちの世界でラグナになってここに来てないのか?」
ヒャダルコはウィンヒルにいたわけだから当然脱出方法は知らない。
しかし、ここまでコンテナを移動させられたということは室内にいたにもかかわらず掴んでいた。
ヒャダルコは中央部分のコンテナを指差した。この穴は下までつながっている。
「じゃあ、じゃあ、この穴をぴゅ〜〜〜〜っと飛び降りればすぐに、下までつくんじゃないかなあ」
「やってもいいけど『しっぱ〜い』じゃすまないわよ」
これまでの先生じゃ怒るところだったろうに混ぜ返した。
作戦を危うくしてでもパルプンテに謝ったりとか
少しずつ先生もほぐれてきている気がする。考えてみりゃまだ18歳ですもの。
先生にとっていろいろな期待が重荷だったんじゃないだろうか。
ナンバーツーで実力を発揮できるタイプの人間はいますよね。
でまあ、その期待はすべてヒャダルコの肩に乗せられるわけだが。
ゼルが脱出方法を思い出した。
アームは上のパネルと中の制御室で動かせる。
誰かが残って上のパネルを操作し残りは制御室で操作する。
自動的にゼルがパネル役になった。コンテナの制御は自分だけのもので、パネルは全体だろう。
一度夢で見たゼルがやらされるのは当たり前だ。
ヒャダルコたちがコンテナに入り、赤いボタンを押すと降下が始まった。
降り立った最下層でセルフィと先生が立て続けにこれからどうするのかヒャダルコに尋ねてきた。
なんなんだ、この他力本願な連中は。
仕方なく目の前に見えている扉を明けてみたらぎっしりと砂と土に埋もれているようだった。
降りすぎて地下階にまで来てしまったのだろう。
途方にくれる彼らに銃撃音が聞こえてきた。
ずいぶんと派手にやっているようだ。
しかしこの中の不穏分子は自分たちだけのはずだ。
やられている相手は当然ゼルである。
戻ろう!
ドアから出られないことだし。


師匠を全部ドーピングして追っ手を蹴散らしたゼルだったが
所長に不意打ちを食らってしまった。
そこにヒャダルコが登場した。
上から飛び降りてきた、ということはいちどコンテナで最上階に戻ったが
ゼルはもう追い立てられていなかったから
ヒャダルコだけは真ん中の穴を飛び降りて先行したのだろう。
えらく思い切ったことをするな。
感動したゼルは思わずヒャダルコにすがりつき
「なんだ!」というヒャダルコはどう考えても照れているのではなく戸惑っている。
オーバーな感情表現からして苦手だからしょうがないか。
それにしてもあとから追いついたセルフィたちによれば
ゼルの危機を目撃して彼女らも驚くショートカットをやってのけたらしい。
少しずつゼルが大事になり始めているようで嬉しい限りです。
と、そこに水を差すように機関銃の掃射が襲いかかった。
誰も直撃を受けずにかわすなんて
それもゼル以外は誰も師匠をつけていない状態で。
やっぱりSeeDは基礎的な身体能力から別物なのだとわかる。
しかし弾丸は跳ね返せないらしい。内壁から頭すら出すことができないでいる。


銃弾の雨がやんだ。西部劇のガンマンよろしくアーヴァインの登場だった。
捕虜になっていなかったしイデア暗殺の仕事はもう終わったのだから
とっとと帰ったとばかり思っていたが助けに来てくれたのか。
彼は彼なりにこの短期間で
ヒャダルコたちに仲間意識をもってくれたのだろうか。
的確な射撃で当面の危険はなくなった階段を
ゆっくりとおりてくるかっこいいアーヴァイン。
しかし、背後から青色の悪魔が彼を蹴り落とした。
「まったく、アーヴァインがもうちょっと早く納得すればここまで面倒になってないんだよ」
カーウェイ大佐がガルバディア軍を通じて
パルプンテだけを連れ出すようにとアーヴァインに命令したらしい。
それで命令どおりにパルプンテだけを連れ出そうとした。
しかし散々ひっかかれて、助け出すことにしたようだ。
……まあ、そんなところだろうな。
ありがとうパルプンテ