戦術は
ヒャダルコがぶんどりパルプンテが殺してしまわないようにケアルをかけて
ぶんどれたらゼルが頭突きとパンチで倒すというものを採用した。
分捕れた戦利品は、パワーアップというものが2個。
どうやら使用すると、ドーピングではない素の力が1上がるらしい。
ドーピングで30とか40とか上がってしまう以上なんだか地味なのであまり使う気になれない。
そして、強くなったのかと恐れた雷神も
ゼルの12秒デュエルの前には無力だった。
基本的に、ヒャダルコたちは戦闘不能にしたら充分で、できるだけ殺さないように心がけている。
ガルバディアのビッグスですら手加減したのだ。
当然雷神はくたばりぞこないながらもまだ生きている。
早く撤退しなさいよ。つめよる三人から雷神は逃げていった。
中には当然風神がいるのだろう。
サイファーもいたらいい、とヒャダルコは思っているだろうが
もしサイファーが来ていたら司令官はあいつがやるだろうからそれは期待できない。
それにしても、雷神は一度もサンダー系の魔法を使ってこなかった。
風神相手にエアロを属性防御して楽勝だと思っていたが
実は危ないのか、俺。


風神と向かい合ったら、雷神が復活して駆けつけてきた。
さっきよりも調子がいい、と元気いっぱいだが当たり前だ。
お前が釣った魚を兵士たちに食わせたら、みんなダウンしたんだぞ。
お前はそんなものを食いながら犬と追いかけっこし、俺たちを結構痛めつけたんだ。
ゼルの12秒デュエルでおそらく胃の中のものを全部吐き出すことになって
食あたりから回復したのだと思われる。
風神、雷神コンビとの戦いが始まった。
今回の戦術も同じである。
風神からは「ラストエリクサー」をぶんどり
さらにパンデモニウム師匠をお迎えした。
雷神もまたもやパワーアップを2個くれる。お前、溜め込んでないで自分に使えばよかったのにな。
もらうものさえもらえばあとは用はない。あっという間に蹴散らした。


さて新しい師匠をお迎えしたので名前をつけなければならない。
とはいっても、パンデモニウムってなんだよ。
どういう生き物だよ。
調べてみると、パン=デモニウムと分けるみたいだ。
たくさんの悪魔という意味があるらしい。
悪魔。
悪魔といわれても、思いつくのはデーモン小暮閣下しかいない。
でも「こぐれ」とかだとちょっと地味だ。
せっかくそれまでパンデモニウムなんてながい名前をつけていたのだから。
小暮閣下といえば、年齢が10万歳であることで知られているので
『ぼく10まんさい』
命名した。


「お前たち……魔女に命令されてんのか?」
破れた風神だが、ヒャダルコのこの言葉にはプライドを傷つけられたようだった。
「否!」
「魔女なんて関係ないもんよ! 俺らの考えでやってるもんよ!」
どんな考えだ、とヒャダルコは理解できないが
彼らはどこからどこまでもサイファー派なのだろう。
「……それはかまわない
 でも、もう、手を引けよ。これはガーデン内のケンカとは違う」