サイファーとイデアを求めてガーデン内部を徘徊する。
もちろんゆうざん師匠に蚊取り線香は炊いてもらっているので快適である。
レベルが上がれば有利になるほかのゲームとは違い
力を得るもとがドーピングであるFF8では、自分のレベルがなるべく低い方がいいのだ。
学園内部の扉のなかにはロックがかけられているものがあるようだ。
セーブできる地点から左に進んだところにロック1とロック2があり
まだ入ることができない。
それにしてもガルバディア・ガーデンの教室はみな大教室の印象があるな。
少数精鋭のSeeDを育てるためのバラム・ガーデンと
ガルバディア軍に大量に兵士を供給するためのガルバディア・ガーデン。
その個性がすかし見えるような気がする。
そのことから考えても
バラム・ガーデンのヒャダルコたちとタメをはる戦闘能力を有するアーヴァインは
やはりあの時点でドドンナが支払えるコマの中で最良のものだったのだろう。
セーブ地点から右に進んだところにはロック3の扉と2階への階段があり
とりあえず登るしかないみたいなので行ってみる。


階段の先に待ち伏せていたのは風神と雷神だった。
そういえばこいつらもいたんだった。
バラム陥落を許すという失態をしても、まだ見捨てられてはいないらしいが
こいつらとしても背水の陣のはずだ。
とはいえこうして姿が見えているのなら怖くはない。
エアロとサンダガを属性防御にセットして階段を登る。
しかし二人とも戦う気がないようだった。
「……疲労
風神がポツリと呟いた。雷神も
「早く行けだもんよ。……終わらせるもんよ。
 ……サイファーのこと頼むもんよ。もう、わけわからんもんよ。
 ……元のサイファーがいいもんよ」
全肯定する、と強がってはいたものの
さすがに今のサイファーにはもうついていけないらしい。
バラムホテルで二人はサイファーの仲間であることをやめない、と言い放った。
それがこんなに早く揺らぐのも意外なのだが
もしかしたら、サイファーの方から仲間であることをやめたのかもしれない。
サイファーの意識には、あきらかに魔女イデアしかいなくなっている。
失敗したが、それでも仲間であることを再確認して戻ってきた二人を
まるで他の部下のように扱ったのかもしれない。
サイファーがこれまでと同じ信頼を向けてくれるならどこまでも肯定できるが
その道を、サイファーの方から断たれてしまったのではないだろうか。
ともあれわかるのは、サイファーはもう行くところまで行ってしまうつもりでいるということだ。
あと、ヒャダルコは殺る気でいると思う。


二階は学生寮らしい。ひとつの部屋で学園生徒に出会った。
彼は敵ではない、という。
接収された時にガーデンの生徒は追い出されたのだが彼は逃げ遅れたか
雑用係にでもされたのだろうか。
そして、ヒャダルコたちの侵入を知って
カードキーを盗み出し彼らを待っていたようだ。ありがたくカードキー1を手に入れた。
三階にはロック2の扉があるので、どうやらカード1で入れるところにいる生徒から
カードキー2をもらわなければならないようだ。
それにしても風神も雷神も重要人物なんだから
カードキーくらい集めておいてくれればよかったのに。
ふたたび1階に戻ることにする。
カードキー1で行った先は、アイスホッケーリンクだった。
さすがというべきか、ラフでガッツが必要なスポーツが奨励されているんだな。
氷の上だけに、転ばないように慎重に歩くことにする。
アイスホッケーリンクを経由して、これまでロック2で通れなかった通路に入ると
そこの教室にいた生徒がカードキー2をくれた。
これで、3階の扉が開けられる。
今までいたのはガーデンのもっとも外周よりの部分だったらしく
これからが、以前訪れた部分になるようだ。
3階の扉からは運動場に出られるのだが
三人ともぱっとみて5〜6メートルの高さから飛び降りた。
ヒャダルコとキスティス先生はまだSeeDという免罪符があるけれど
パルプンテすげえ。これならガーデンの外壁から飛び降りても生き延びたんじゃないか。
いや、それは無理。