重苦しい沈黙に包まれたデリングシティをあとにして、次に向かうのはもうひとつの観光地であるシュミ族の村だ。
今のところシュミ族についてわかっていることは三つだけで

  1. バラム・ガーデンのマスターであるノーグはシュミ族である。
  2. ノーグはシュミ族の中では珍しい存在である。
  3. シュミ族は年を経ると変身し、それを考えるとワクワクするカカロットみたいな奴がF.H.にいる。

ともあれどこだったかしら、確かトラビアだったわねと地図を眺めると
地図上で地点をさしてボタンを押せば自動操縦でそこに向かってくれることを知った。
こりゃあ、便利じゃないか。
FF8の真の飛空挺であるラグナロクは、宇宙に行ったりするすごい性能だけれども
飛行時の快適さはFF1とは比べ物にならないのだ。
せめて自動操縦くらいあってほしいね。


そうしてつれてこられたシュミ族の村は
雪の中、巨大なくぼみに建てられた光るドームのようだった。
ああ、これがラグナが魔女の騎士の映画に出演したあとで
山を登っているときに見かけた輝く建物だろうか。
ラグナ様ページのコーナーには、シュミ族の村に来た記述はあっただろうか。
ともあれ近くでラグナロクを降り
ドームへと近づいた。
この寒冷の地には珍しく輝いているそのドームは
もしかしたら、巨大なビニールハウスのように地熱を蓄えるためのものだろうか。
驚いたことに入り口は自動ドアだった。
見たところ周囲に発電施設はないのに
よくそんな無駄な電気を使えるものだ。
もしかしたらF.H.を通じてエスタの技術供与がなされているのかもしれない。
ドーム中央にはエレベーターがあり、座ると地下に連れて行かれた。
なんだかとてもウェルカムな雰囲気だな。
村を出たノーグが変わり者だったというし、ドームという閉鎖型の建物にすんでいるところからし
排他的な性格の種族かとなんとなく想像していたのだが。


連れて行かれた地下は、地下だというのに陽光がさんさんと降り注いでいた。
おそらく光ファイバー技術の応用で陽光を取り込んでいるのだろう。
そこには緑があり、水の流れがあり、小鳥のさえずりが聞こえる。
これだけの技術力があるのならば、夏でも雪に閉ざされたトラビア北部に住むのもわかろうというものだ。
こんな宝の山のような集落がたとえばガルバディア国内にあったら、確実に接収されているだろう。
そして、雪という天然の防壁を何とか乗り越えてたどり着いた旅人は
やさしく出迎えるくらいの良識はある民族なのだろう。
ノーグがスタンダードじゃないのだ。それは肝に銘じておかないと。