酒場に戻ったがレインはいなかった。二階かな?
二階ではエルオーネとレインが会話をしている。
出直そうとするラグナにキロスが反抗した。彼の中の何かが聞けと命じるらしい。
おおセルフィ、そんなところにいたのか。
「ねえ、レインはラグナおじちゃんと結婚しないの?」
「あ〜んな男と?」
子どもの直球にレインは理由をまくし立てた。
「痛い痛いってヒイヒイ泣きながらここに運ばれてきてそれからずっと看病させて
 ジャーナリスト志望のくせに言葉遣いは汚いし間違えるし
 真面目な話になるとすぐに逃げ出そうとするし
 イビキはうるさいし寝言だって――」
もう、説得の相手はエルオーネではない。自分自身になっていた。
「でも、エルはラグナおじちゃん大好きだよ。
 レインとラグナおじちゃんとエルと3人いっしょがいいよ」
子どもの素直な心はレインの殻をすんなりつ突き破った。
3人いっしょにいたい? いや?
理屈はいくらでもこねられる。しかし、子どもに対して気持ちを偽ってはいけない。
「……でもね」
レインは抵抗をあきらめた。
「あの人、本当は世界中のいろんなところへ行きたいんだと思うのね。
 こんな田舎の村で静かに暮らすなんてできないと思うの。
 そういうタイプの人、いるのよ」
ラグナとキロスは黙ってそれを聞いている。
「……なんか腹たって来ちゃった」
「……きらいなの?」
子どもはいつだって強い。
「……エルオーネと同じ気持ちよ」
大人はいつだって弱い。


隊長に戦果を報告する。
敵の種類を確認するために一戦しただけで
あとはゆうざん師匠にお願いして戦っていないのだが
戦果が少ないと怒られることはなかった。
夕飯まで時間があるから、自分の部屋で休むことにした。
ラグナは不安にかられる。
目が覚めたらここじゃないどこかでエルオーネやレインがいなくなるような気持ちになると。
ああ、目が覚めてもここにいますように!
このちっこいベッドで目が覚めますように!
キロスはそんなラグナの変化に驚くばかりである。
ヒャダルコはこれまで二回ラグナの夢を訪れたことがある。
ラグナの生き方を覗き見することはヒャダルコにいろいろなものをもたらしているだろうが
ラグナにも影響を与えているかもしれない。
ヒャダルコの精神の基本は、『悪い結果を恐れる』ということに尽きると思う。
どんなに努力をしても最悪の結果がおとずれることはある。
であるならば期待はしない、自分から積極的な行動も起こさない。
期待してがんばればがんばるほど、悪い結果が起きた時に悲しいことになるから。
そんなネガティブな思考法が、こともあろうに二度とも人生の転機にやってきているのだ。
持ち前の楽天さにかげりが生まれてもおかしくはないかもしれない。
師匠を利用するメリットだけじゃないのだよ、世の中は。


実はこのあともプレイしていて
D地区収容所脱出まではやっているのだが
プレイ時間があまりに長かったために今日の日記はここまでとする。
いまさらD地区のヒントをもらっても悔しいだけなので
ミサイル基地などでのイキのいい師匠情報をお願いしますよ。
いったいコイツは何様なんだろう。