あまりに理不尽な真相解明にさすがにぐったりしてきたが何とかがんばろう。
透けているヒャダルコは、砂浜で花火をしている子供たちを追うことにする。
砂浜の子どもたちに加わらず、ヒャダルコはひとりでおねえちゃんを思って泣いていた。
(我ながら情けなくなるな……)
いい傾向だ。ヒャダルコを縛っている根っこを決定した瞬間の自分が頼りなく、不安定で、情けないと思えるのならば
今の縛りにも疑問を持てるはずだ。
砂浜には、パルプンテ以外の四人が現在の姿で集まっていた。
「こ〜んな感じ、どう?」
というアーヴァインが何かをして、セルフィがくっきりと石の家の前の浜辺を思い出した。
バスケットコートの床に、風景の絵でも描いてあげているのかもしれない。
キスティスも思い出した。「たしかに花火をした!」


砂浜で、子供たちだけで花火をしている。
しゃがみこんでいるちびセルフィと、ちびキスティス、ちびアーヴァイン。
あとの一人は誰だろう? ヒャダルコではない。エルオーネだとしたらチビな子だったんだな。
そこにゼルがやってきた。
「こどもだけで花火したらいけないんだぞ〜! まませんせいにゆ〜からな〜!」
まませんせい、というのが石の家の保母さんの名前だろう。
いたよね、保母さんに好かれたくて他の子の告げ口する幼児。ゼルがそうとは言わないが。
しかし子供たちだって負けていなかった。
「なきむしゼ〜ル! ベッドへかえれ〜!」
ゼルも、その孤児院にいたのだ。そしていまのバラムの家に引き取られたのだろう。
覚えていないのは、あれだ。師匠だ。もうなんでも師匠だ。
師匠に始まり師匠に終わる、それがFF8なのだ。最初の説明で記憶障害と読んだときから覚悟はしていたものの
やめたくなってきたよ、俺。泣きたい。
泣きたいのはちびゼルも一緒だったようだ。
「いたいよ〜! まませんせ〜! いたいよ〜!」
誰かに殴られたか?
この年頃の子では女のほうが強いからな。
キスティス先生は石の家でも君臨していたのかもしれないな。
何しろ、ムチだ。
彼女が君臨するのに、理由が必要だろうか? ムチなのだ。
そこにもう一人男の子がやってきた。誰かはわからない。しかし彼は、ゼルをいじめるのが好きらしい。
花火にもこの子はいたんだろうな。
しかしその子のことはセルフィも覚えていなかった。
将来忘れ去られるとも知らず、その子はさらにゼルをいじめる。
そしてゼルが泣き出した。
「いたいよ〜、サイファーがぶつよ〜」
あー。
あのAAを使っていいですか。
orz
あー、使っちゃった。人生で最初だ。
思い返せば去年の今頃生まれて初めて『萌え〜』を使った。
こうして自分の好きな文章から離れていくのだろう。
いつかはきっと、「ら」抜き言葉とか語尾にwとか(笑)とか
挙句の果ては(爆)とか使うことになるかもしれない。
いやさすがにそれはないか。