ガーデン内部に侵入したら、ちょうど会議をしているゼルたちと行きあった。
この中に魔女がいるはずだ、という。
皆がヒャダルコの言葉を待っている。何かしゃべらなければいけない。
敵は昔育ててくれた女性で、学園長の奥さんだ。
でも、いまさら迷ってなんかいられない。
彼らの迷いを吹っ切るようなことを、何かしゃべらなければ。
「この先にいるのは『敵』だ。『敵』の名前なんか忘れてしまえ。
 『敵』と自分の関係とか……『敵』の事情とか考えるのはやめろ。
 そういうことを考えながら戦えるほど……少なくとも俺は強くない。
 『敵』は戦うことを選んだから俺たちの『敵』になった。
 俺たちも戦うことを選んだ。選択肢は多くなかった。
 いや……多くなかったと思いたい」
なんだ。結局迷ってるのは自分じゃないか。
ヒャダルコはそう自嘲しているが、それは違う。
パルプンテ以外の、イデアに育てられた人間は全員迷っているはずだ。
それだから、迷いながらもとりあえずヒャダルコが道を示すことは必要なんだよ。
「ここまで来たんだ。俺の話なんかいいよな?」
俺は自分でけりをつける。お前たちもけりはつけられるだろ?
しかしその逃げを許さない人間がいた。パルプンテだ。
「聞きたい。ヒャダルコが考えてること知りたいもの」
ヒャダルコはその言葉で考えをまとめようとしたが、まとまらなかった。
「終わってからにしよう。聞きたかったら……生き残れ」
ん? これはなんだかフラグが立った気がするが。
母殺しは人間にとって大罪である。
それに踏み込むためには、ヒャダルコの心の秤のもう一方により重いものがなければならない。
それはパルプンテにとっては何よりも知りたいことだろう。
聞きたかったら、生き残れ。
なんだかパルプンテ死亡フラグが立ったような気がしてならない。
まあ、考えすぎだ。


さ、メンバー選びで今回は終わりにしよう。
敵に出てくるのはサイファーとイデアになるだろう。
サイファーがらみで特別な会話が出るだろうからパルプンテは連れて行きたい。
たまストライクは充分役に立つし。
あとは肉弾戦専用でゼルか、アーヴァインだけど……。
ゼルのコンボを使ったら、戦いを楽しむ前に骨も残らない気がする。
まだメテオストライクを生かした流れをマスターしてはいないが
コンボの序盤で割合ダメージを二発も入れられるのは脅威である。
サイファーだろうがイデアだろうが、ゼルの前には無力だ。
それってとってもつまらない。
一方で、アーヴァインの速射弾ショットは寸止めもできるしダメージの総量も望める。
いやいや、強敵が現れたときのためにフルケアかホワイトウィンドを連れて行くか。
悩んだ末、キスティス先生を連れて行くことにした。
サイファー、イデアとそれぞれぶんどっておきたいので
腕力バカに止めを刺される事態は避けた方がいいのだ。
直接攻撃はヒャダルコ一人に任せ、あとはぶんどり要員と回復(敵の)要員を一人ずつ用意する。
レベルアップコマンドもつけて、思い切りレベルを上げてからぶんどることにしよう。


もちろん忘れてはいけないのは、サイファー対策としてファイガを属性防御につけること。
ステータス攻撃にブラインをつけること。
イデア対策でだいだげき! 師匠(全員にリフレク)を呼び出せるようにしておくこと。
サイファーはともかくイデアのHPはバカ高いことが予想されるから
念のためゆうざん師匠の割合ダメージも出せるようにする。
こんなものかな。明日はいよいよサイファーとの決着だ。