三人はソファの前で並びラグナの掛け声で着席した。
バカだ……。こいつらバカだ。
どうも三人それぞれ「いつもの」で酒が出てくるくらいの常連らしい。
ということは、この店にラグナが入れあげている女がいるのだろう。
と、思っていたら来た。ワイン色のドレスの女が。
彼女はジュリアという名前である。
キロスがしきりにラグナをけしかけている。
「君は期待をうらぎれない男だ。さあ、ステージへ行きアピールしてくるのだ」
そんな期待を裏切れない男の中にいるのは、ステータス画面の並び順からやはりヒャダルコだろうか。
期待をとことんまで避ける男としては居心地の悪い場所だろうな。
「バカバカしい」とラグナが退けるも
「などと言いつつ立ち上がるラグナくんであった」
とウォードに勝手なナレーションを入れられてしまった。
ここまでしてもらったら何かしらの行動をしないと失望されるだろう。
ここで無視できるのはFF8の世界ではヒャダルコか虚無僧スタイルの学園教師くらいのものである。


ほんとに立ちあがったよこの兄さん。
でも念のため階段から逃げようとしたら
ダメだ、と自戒する声が聞こえた。
ここで逃げ出したらあの二人から一生腰抜け呼ばわりされてしまう、らしい。
だから声をかけるのか? それでいいのか?
ジュリアと仲良くなることが大目標だろうに、ホントにそれでいいのだろうか。
よくいる手段の目的化を起こしやすい人間なのかな。