「シド学園長と・魔女イデアの・ものか!?
 あの夫婦のものか!?」
シド学園長とイデアが夫婦だと、マスターは言った。
てことはなんだ。夫は奥さん対策に記憶障害を恐れずに傭兵を鍛え上げ暗殺に差し向け
妻はその報復としてミサイルを旦那さんの家にぶち込むのか?
なんだその迷惑極まりない夫婦喧嘩は。
でも、それならシド学園長の小人物にも似合わない執念がわかる気がする。
奥さんが道を誤ったと知り自分ではとめられないと知り、けれど何とか止めないとと必死に考えたのだろう。
それにしても
夫婦喧嘩と外れた障子はどちらもはめればすぐ直るというが
この夫婦はそういう常識を超えてしまっているようだ。


混乱するヒャダルコを前にノーグは続ける。いま、わかったと。
「シドとイデア、わじからガーデン・のっとる気だ」
ちょい待ておっさん。
イデアはすでにガーデンをひとつのっとってるんだが。
国をひとつのっとってるんだが。
この間の内紛でシドの優位は固まったのだが。
どうしてそういう現実を見ないでガーデン一つにいまさらこだわるのかな。
ヒャダルコには健全な成長のために立派な大人を沢山見てもらいたいのに
ろくな大人がいないよな、このゲーム。
まともなのはゼルの母さんとカーウェイ大佐だけなんじゃないだろうか。
一人合点したノーグはヒャダルコたちをシドの手先と決め付ける。
ノーグを収納するようにふたが閉じられ
両側の青いランプが黄色→赤となったら魔法を打ってくるらしい。
しかし通常攻撃で青に戻るという。
そういうヒントをくれるなんて
騎士道をわかったおっさんだな。
ヒャダルコの連続剣はすでに
おしち師匠の「力+20%」「力+40%」重ねがけで一発あたり1200のダメージになっている。
六発当たれば7200である。
キスティス先生とパルプンテに信号対策をさせて
たった二回の連続剣で片がついた。
危ないところでリヴァイアサン師匠もお迎えできました。


さてリヴァイアサンに名前をつけてあげよう。
リヴァイアサン、といわれればホッブズだが。
ここからではあまりいい名前が思いつかない。
外見で行こうか。うつぼ、海蛇に近いようだ。
ネットで調べてみたら、海の悪魔らしい。
海の悪魔……松方部長?
あのパイプカットのマグロ釣り男こそ日本でもっとも悪魔な海の男だろう。
かなりこじつけだが『まつかた』と命名する。
だってしらねーよリヴァイアサンなんて言われてもさ。