例の魔女の音楽が流れている。
それを背景に、ヒャダルコが一人でもの思いに沈んでいる
いつもなら「おハロー」と思考を中断する娘が隣りにいるってのに
邪魔する様子もなく静かである。
おそらく心配で泣きつかれて眠ってしまったのだろう。


ヒャダルコが自問するのは、自分のこれまでの道のりの事だった。
無限の可能性はないが、それでも選べる選択肢の中から最良だと思ったものを選んできた。
しかし、パルプンテのためを思って選んできたこの道は
どこをどうしようが、結局彼女に会えないという結果にたどり着きそうだ。
どれだけ慎重に選んで努力しても、結局は避けられない未来というものがあるのか
それとも、この状況にならない何かがまだあったのだろうか。
ただはっきりしていることは、地上に出たらまた離ればなれになるということだった。